電子タバコをたしなむ女性

ベトナムでは2016年ごろから電子たばこがおしゃれなアイテムとして若者の間で流行し始めました。多くのフレーバーがあり味を楽しめるのも魅力の一つだそうです。

当時の様子

ハノイ市 Hai Bà Trưng区 Bà Triệu通りに新しくカフェがオープンしました。電子たばこも販売するカフェは開店したばかりですが多くの若者達でにぎわっています。オーナーによると電子たばこの機器は中国製で、電子たばこで使用する「ジュース(リキッド)」と呼ばれる液体は米国やマレーシア、フィリピン、中国の製品約100種類を取り揃えているそうです。価格は1瓶(30ml入り)当たり20万~50万VND(当時約985~2460円)。

同様にホーチミン市でも、電子たばこの販売店が急増しています。10区Lê Hồng Phong通りにある店では、手軽に楽しめて健康に害がないため多くの人に好まれていると紹介していました。

若者の喫煙率が増加傾向

若者の喫煙

ベトナムの喫煙率は世界15位で、喫煙者数は推定1560万人、年間49兆VND(約2700億円)がタバコ購入に費やされています。

たばこ害防止基金によると2015~2020年に喫煙率は、全体では22.5%から21.7%に、男性は45.3%から42.3%に減少したが女性は1.1%から1.7%に上昇し、未成年者の喫煙率は、2013~2019年に▲2ポイント以上減少し2.78%との報告があげられました。

保健省のたばこ害防止基金のNguyen Thi Thu Huong氏は、新しいたばこと呼ばれる電子タバコや加熱式たばの使用率は、特に都市部の学生や若者の間で増加傾向にあると述べます。

新しいタバコは主に密輸や手荷物で国内に持ち込まれ、ユーザーはインターネットやSNSを使って商品を簡単に購入することできます。

しかし、それは違法です。

専門家によると、新しいタバコを使用すると使用率の急激な増加やニコチン中毒、急性肺損傷になります。また電子タバコのバッテリー爆発による事故も増加するでしょう。煙草による死者数は毎年4万人を超えており、その数は交通事故死亡者数の約4倍に当たります。

ベトナムでは電子タバコ(アイコス含む)の販売は法律で禁止

電子タバコの販売は禁止だけど使用は?

喫煙禁止

現在、保健省は若者の健康被害や潜在的な高リスク、社会的悪のために電子タバコと加熱式タバコの販売を禁止することを推奨しています。

2019年には免税店における電子たばこや加熱式たばこ「アイコス(iQOS)」など、これに準ずる商品の販売を一切禁止するよう当局から指導されています。

また、電子タバコを販売しているお店の商品は、ほとんどが政府の許可なく販売をしているので摘発し、商品の差し押さえを行うこともあります。

海外からの電子タバコ(アイコス含む)持ち込み

航空会社はベトナムへの電子タバコの持ち込みを認めるとアナウンスしていますが、もし仮に現地の警察に疑いをかけられたら場合どうでしょうか?

海外から持ってきたという証拠を見せなくてはいけません。

トラブルに巻き込まれないように気を付けてください。

若者に与える悪影響

 2022年11月23日、ベトナムにおけるたばこの危害防止の状況、課題、解決策に関するワークショップで保健省法務副局長のTran Thi Trang氏は講演で以下のように述べています。

「電子タバコと加熱式タバコは、特に子供、青年、女性、少女のタバコの使用率を高め、健康に大きな影響を与えるため、国は若者を保護する必要があります。」

「電子タバコと加熱式たばこの使用禁止は、潜在的に高いリスクと社会的悪が発生する可能性を抑える効果がある」と指摘します。

新しいタバコ製品についてはアジア地域および世界の国々の傾向と世界保健機関(WHO)の勧告に沿ったものであると述べます。

現在、少なくとも32の国と地域が電子タバコ製品を完全に禁止しています。

オーストラリアでは、ニコチンは「有毒物質」のカテゴリーに分類され、ライセンスがある場合にのみ使用されます。

ASEAN地域には、タイ、シンガポール、ラオス、ブルネイ、カンボジアの5つの国が完全に使用を禁止しています。

ベトナムのWHO代表であるNguyen Tuan Lam氏は、「現在ベトナムには正規の電子タバコ市場がなく、主にインターネットやSNSを介して販売されています。」と述べています。

したがって、「これらの製品が市場で広く使用される前に法律で禁止しなくてはいけない」と強く主張します。

また「新世代のたばこ製品はベトナムでの輸入および宣伝・販売は許可されていません、WHOは、電子タバコの使用、戦闘、密輸、広告、販売を防ぐために、電子タバコの輸入と販売を禁止する規制を維持および強化することを推奨します。」と示唆しました。

密輸など取り締まりの強化

ファム・ビン・ミン第一副首相 兼 密輸・不正取引・偽造品防止国家指導委員長はこのほど、国際空港経由の密輸を防止すべく、密輸や不正取引の取り締まり計画を公布した。同計画は2022年12月1日から2025年12月1日まで実施される。

計画によると、関連機関は情報収集・分析・処理を強化する。麻薬や武器、爆発物、希少な野生生物、アルコール、たばこ、葉巻、携帯電話、ゴールド、外貨、医薬品、機能性食品、化粧品、その他の貴重な商品など、国際空港を経由する商品の密輸を防止・阻止する計画を策定する。

旅行や仕事でタバコを持ち込まれる方は、知らなきゃ危ない!注意事項 を読んでおいてください。

喫煙者通報アプリの導入

禁煙アプリ

保健省は2022年5月に、公共の指定する禁煙場所で喫煙する違反者を通報する携帯アプリ「Vn0khoithuoc」の運用をハノイ市のホアンキエム区とタイホー区で試験的に開始しました。(試行期間は6~9か月を予定)

ベトナム人も知らない禁煙区域について

現在ハノイは都市の禁煙モデルとなっており「たばこの煙のない観光地」を推進しています。

アプリを利用すれば、違反行為を発見した際に当局への通報が容易になります。通報を受けて当局は違反者を特定し処分を行ないます。

アプリは「コミュニティ参加モデルの試験的導入によるたばこの害防止法実施強化プロジェクト」の一環で、たばこの害防止基金が開発しました。若者の喫煙率が増加する中、たばこが嫌いな人も一定数いる証拠ですね。

観光へ行かれる際はご注意ください。今後もどのような動きになるのか注目が必要です。

喫煙の罰則

禁煙箇所における喫煙行為の罰金は10万~30万VND(約560~1,680円)、禁煙標識を掲げていないレストランに対しては300万~500万VND(約16,800~28,000円)の罰金を科しています。

詳しくはこちらの記事へ:ベトナム人も知らない禁煙区域、ここもあそこもだめなの?

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By なら

介護業界で15年ほど勤務、近年はベトナムの介護施設で管理者として働く。奥様はベトナム人、息子一人。ベトナム語を勉強し、幾度も挫折を繰り返し復活しています。

2 thoughts on “【東南アジア】ベトナムで電子タバコの使用は禁止ですか?(アイコス含む)”

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